深キ淵ヨリ

コミック

主人公で女流作家の彼女は、次回作の取材のため、小さな連絡船しか行き来しないとある絶海の孤島へ赴くと、居合わせた女子大生風の二人客と共に送迎バンに乗って旅館まで移動することに。車中ではパンフレットを持った彼女たちの「神の岩場」や「ガチリン様」など、この島の名所や土着神のような言葉が飛び交うが、途中「やだ、生理は始まっちゃった」の声に女流作家はナプキンを差し出し、ほんの少しだが彼女たちと言葉を交わす。旅館に入ると、部屋で荷物(とくに取材道具)の確認に余念のない彼女だが、風呂の用意ができたと告げる女将に、自分は生理だからと遠慮の意思表示。ならば「岩場」には近づかないようにと慇懃ながらどこか釘を刺すような言葉が返ってきて、その不穏な圧迫感に身じろいだ彼女は、ただ「はい」と答えるしかなかった。取材当日、彼女は海岸付近でカメラを覗き、資料撮りも順調と気をゆるめた瞬間、足元の岩場が砕けるのを感じる間もなく、海へ落ちてしまう。しばらくして気が付くと、そこは四方を岩壁に囲まれた場所で、彼女はなぜか巫女の格好をさせられている。目の前で、チリチリと燃える松明は灯り取りの役目をしており、まるで黄泉の国の入り口かのような面妖さで、辺り一面を支配していた。何がどうなっているのか分からないまま、彼女は微かに聞こえる悲鳴の先に目を向けると、そこではあの女子大生風の二人が、島民らしき男達に蹂躙されていて、穴という穴を塞がれ気も狂わんばかりに悶え苦しんでいるのだった。彼女は驚愕とともに痛感する。この島を覆う得体の知れない禁忌に触れたことに…。