保健室の先生

コミック

放課後、何かと理由をつけては保健室に日参する井藤くん。お目当ては、この部屋の主で保険医の氏家先生。いわゆる「保健室の先生」だ。井藤くんは氏家先生のことが大好きで、実際に彼女の前で告白までしているのだが、無口で無表情で朴訥なこの保険医は、そんな年下の少年の思いをただ静かに受け流し、大人の余裕で煙(けむ)に巻いている…かに見えたのだが、実はそうではなかったよう。井藤くんが帰ったあと、彼女は、湯気のたったマグカップを片手に思案する。「人を好きになるって、どんな感じだったっけ。」そんなある日の朝、登校する生徒たちでぎわう廊下で、氏家先生は、女子と談笑しながら歩く井藤くんに気づくと、我れ知らず身をかくし、彼らの通り過ぎる姿をじっと見送る。自分を好きだと言った少年の、これまで見たことのない笑顔。そして横には、スカートの丈も短い今どきの女の子が寄り添う。セーラー服の彼女は若く、そして魅力的だ。氏家先生は、そのふくよかな胸の奥に、なんだか言いようのない小さな感情を抱くが、そんな冷静ではない自分に「はっ」と気づくと、一瞬でも心を乱した我が身を呪いつつ、諦めのような気持ちとともに保健室のドアを開けるのだった。昼休み、彼女からすれば「いけしゃあしゃあ」とでもいった感じで保健室にやってきた井藤くん。これまで以上に無表情をきめ、つれない態度の氏家先生に、告白の返答を問う彼であるが、彼女は心のモヤモヤを散らしつつ、やめておけと拒否する言葉を突きつけると、しまいには井藤くんを子供扱いして大人の面目を保とうとする。氏家先生の、そんな態度に目を見開く井藤くん。すると彼は彼女を抱きかかえてベッドまで連れて行き、自分の本気を伝えるべく氏家先生にのしかかると、彼女の挑発を買うように、唇を重ねるのだった。